税務調査で突然訪問されたら?拒否できる?税務署が予告なしに来たときの対応を税理士が解説

「税務署の職員が突然やって来た。どうすればいい?」
事前に電話も手紙もなかったのに、ある日突然、税務署の職員が会社や店舗、自宅を訪問したら、驚くのは当然です。
「税務調査は突然来ることがあるの?」
「今すぐ中に入れないといけない?」
「その場で帳簿や通帳を全部見せる必要がある?」
「税務調査を拒否することはできる?」
「税理士に電話してもいい?」
突然の訪問では、このような疑問が一気に出てくると思います。
結論からいうと、税務調査は原則として事前通知が行われますが、一定の場合には税務署の調査官が事前通知なしで突然訪問することがあります。
ただし、税務署が突然来たからといって、脱税が確定したわけではありません。
重要なのは、慌ててその場ですべて回答するのではなく、「誰が来たのか」「何の税務調査なのか」「何年分が対象なのか」を確認し、必要に応じて税理士へ連絡することです。
この記事では、税務調査の任意調査と強制調査の違い、突然訪問された場合の対応、拒否できるのか、調査官に何を聞かれるのか、法人・個人事業主で確認されやすいポイント、必要書類、日程変更、追徴税額まで、【超提案型】税理士イチノセが分かりやすく解説します。
この記事の目次
1.税務調査で突然訪問されることはある?
結論:税務署の調査官が事前通知なしで突然訪問することはあります。
ただし、すべての税務調査が突然行われるわけではありません。
一般的な実地調査では、税務署から事前に連絡があり、調査日時や場所、対象となる税目や期間などが通知されるのが通常です。
例えば法人であれば、法人税や消費税、源泉所得税などが調査対象になることがあります。
個人事業主であれば、所得税や消費税などが中心となります。
「税務調査=ある日突然、税務署が押しかけてくる」というわけではありません。
一方、一定の場合には、事前通知をせずに税務署の調査官が事業所、店舗などを訪問することがあります。
2.任意調査と強制調査(マルサ)の違い
ここで非常に重要なのが、「任意調査」と「強制調査」を混同しないことです。
一般的な税務調査は「任意調査」
一般の会社や個人事業主に対して税務署が行う税務調査の多くは、いわゆる任意調査です。
ただし「任意」という言葉から、「自由に拒否できる」という意味だと考えるのは適切ではありません。
税務調査では、国税通則法に基づく質問検査権などによって、調査官から質問を受けたり、帳簿書類などの提示・提出を求められたりすることがあります。
強制調査とは?
一方、悪質な脱税が疑われる場合などに、国税局査察部、いわゆる「マルサ」による査察が行われることがあります。
これは一般的な税務署による任意調査とは性質が異なります。
税務署が突然訪問した=マルサによる強制調査、という意味ではありません。
3.なぜ税務署が予告なしで来るの?
事前に調査日時を知らせることで、正確な事実確認が難しくなると判断される場合などには、事前通知なしで調査が行われることがあります。
例えば、事前通知によって
- 帳簿や資料が隠される可能性がある
- 資料が破棄される可能性がある
- 帳簿などが改ざんされる可能性がある
- 現金や売上の実態確認が難しくなる可能性がある
- 調査の適正な遂行に支障が生じる可能性がある
と判断されるようなケースです。
したがって、突然訪問されたからといって、「脱税が確定している」「必ず多額の追徴になる」というわけではありません。
4.突然の税務調査は拒否できる?
「今日は忙しいので税務調査を拒否します」と、単純に考えるのはおすすめできません。
一方で、突然訪問されたからといって、内容を確認しないまま何でも即座に答えたり、求められたものを無条件ですべて差し出したりするという意味でもありません。
まず「何の調査なのか」「対象期間・対象税目は何か」「何を確認したいのか」を確認しましょう。
そして顧問税理士がいる場合には、できるだけ早く連絡してください。
5.法人・個人事業主の税務調査で見られるところ
税務調査で確認される内容は、法人なのか個人事業主なのか、業種や申告内容などによって異なります。
① 売上
特に重要なのが売上の計上漏れです。
請求書、レジ資料、予約情報、入金記録、預金通帳などと申告した売上が一致しているか確認されることがあります。
② 経費
領収書があるからといって、必ず事業上の経費として認められるわけではありません。
個人的な支出が会社や事業の経費に含まれていないかなど、取引の実態を確認されることがあります。
③ 消費税
消費税については、売上だけでなく仕入税額控除や請求書・帳簿の保存状況などが問題になることがあります。
④ 所得税・法人税
確定申告書や法人税申告書の内容と実際の帳簿・取引が一致しているか確認されます。
6.税務調査で確認されやすい書類
税務調査では、事業内容に応じてさまざまな書類の提示・提出を求められる可能性があります。
- 総勘定元帳
- 仕訳帳
- 請求書
- 領収書
- 預金通帳
- 契約書
- 給与関係資料
- 売上管理資料
- 現金出納帳
- 確定申告書・法人税申告書など
ただし、調査の対象や目的によって必要となる資料は異なります。
「言われたから何でも渡す」のではなく、何の確認のために必要なのかを整理することも大切です。
7.税務署が突然来たとき最初にすること
最初に確認したい5項目
- 税務署名
- 調査官の所属・氏名
- 対象となる税金
- 対象期間
- 今回の訪問目的
突然の訪問だからこそ、「誰が・何のために来たのか」を最初に確認してください。
8.その場で全部答える必要はある?
税務調査官から質問されると、「すぐ答えなければ」と考えてしまうかもしれません。
しかし、数年前の取引について正確に覚えていないこともあります。
分からないことを推測で答えない。
これは非常に重要です。
記憶が曖昧なら、帳簿、領収書、請求書、通帳、契約書などを確認し、事実関係を整理してから回答することが大切です。
その場を取り繕うために回答してしまうと、後で帳簿や証拠資料と説明が食い違う可能性があります。
9.税務調査の日程は変更できる?
事前通知がある通常の税務調査では、提示された日時にどうしても都合がつかない場合、事情を説明して日程調整を相談することがあります。
例えば、代表者の重要な業務、入院・通院、繁忙期など、合理的な事情がある場合には、税務署や税理士と相談して対応を検討します。
ただし、単に「調査を受けたくない」という理由で無期限に先延ばしできるものではありません。
10.突然の税務調査でやってはいけないこと
- 事実と違う説明をする
- 分からないことを推測で答える
- 帳簿や資料を隠す
- 資料を捨てる
- 帳簿や証拠書類を書き換える
- 質問内容を理解せずに回答する
- 税理士へ連絡せず一人ですべて対応しようとする
特に資料の隠蔽、破棄、改ざんは絶対に避けてください。
11.税務調査で追徴税額が発生するケース
税務調査の結果、過去の確定申告や法人税申告などに誤りが見つかると、追加で税金を納めることがあります。
例えば、
- 売上の計上漏れ
- 経費として認められない支出
- 売上計上時期の誤り
- 消費税の処理誤り
- 給与・源泉所得税の処理誤り
などです。
ただし、税務調査官から指摘された金額が、そのまま最終的な追徴税額になるとは限りません。
まず事実関係と税務上の取扱いを整理し、本当に修正が必要なのかを確認することが重要です。
12.税務調査の途中から税理士に依頼できる?
顧問税理士がいない場合でも、税務調査をきっかけに税理士へ相談することは可能です。
例えば、
- 税務署が突然来て対応方法が分からない
- 一人で調査官と話すのが不安
- 過去の申告内容に心当たりがある
- 多額の追徴を指摘されそう
- 税務署との交渉・説明を税理士にサポートしてほしい
- 現在の顧問税理士の税務調査対応に不満がある
といった場合には、早めに相談することをおすすめします。
税理士変更を検討している場合も、税務調査を機に今後の税務・会計体制を見直す方法があります。
13.税務署が突然訪問したときの対応手順
STEP 1 訪問者を確認する
税務署名、所属、調査官の氏名などを確認します。
STEP 2 税務調査の内容を確認する
対象税目、対象期間、訪問目的などを確認します。
STEP 3 顧問税理士へ連絡する
税理士がいる場合には、できるだけ早く状況を伝えます。
STEP 4 質問を正確に確認する
分からないことを推測だけで回答しないようにします。
STEP 5 書類と事実関係を整理する
帳簿、領収書、請求書、通帳、契約書などから事実を確認します。
STEP 6 税理士と回答方針を整理する
事実関係と税法上の取扱いを分けて整理し、税務署への説明方法を検討します。
14.【超提案型】税理士イチノセの税務調査対応
一ノ瀬公認会計士・税理士事務所では、税務調査についてのご相談にも対応しています。
私たちが大切にしているのは、「税務署から言われたから払う」「とにかく追徴税額を減らす」だけで終わらせないことです。
まず、次の4点を整理します。
- 実際の事実関係はどうだったのか
- 帳簿・書類から何を説明できるのか
- 税務署は何を問題としているのか
- 税法上、本当に追加の税金が発生するのか
そのうえで、税務署への説明や交渉をサポートします。
さらに、税務調査で問題になった原因を分析して、今後同じ問題を繰り返さないための経理体制や証拠書類の保存方法まで改善することが重要だと考えています。
これが、一ノ瀬公認会計士・税理士事務所が目指す【超提案型】の税務調査対応です。
まとめ|税務署が突然訪問したら「初期対応」が重要
税務調査は原則として事前通知が行われますが、一定の場合には税務署の調査官が突然訪問することがあります。
突然訪問されたときの6つのポイント
- 税務署・調査官を確認する
- 対象税目・期間・目的を確認する
- 分からないことを推測で回答しない
- 資料を隠したり書き換えたりしない
- 顧問税理士へ早めに連絡する
- 指摘内容と税法上の取扱いを整理する
突然の税務調査ほど、最初の対応がその後の調査に影響する可能性があります。
税務署が突然来てお困りの方へ
「今、税務署の調査官が来ている」
「突然訪問されて、どう対応すればいいか分からない」
「税務調査の途中から税理士に相談したい」
「現在の顧問税理士の対応に不安がある」
このような場合には、一ノ瀬公認会計士・税理士事務所へご相談ください。
税務調査は「調査が終わってから」ではなく、できるだけ早い段階でご相談いただくことが重要です。
税務署の指摘をそのまま受け入れるのではなく、事実関係、帳簿・証拠書類、税法上の取扱いを整理したうえで対応方法を一緒に検討します。
【超提案型】税理士イチノセがサポートします
一ノ瀬公認会計士・税理士事務所
税理士・公認会計士 一ノ瀬 聡
TEL:072-246-9291
Mail:tax@ichinose.info











