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【2026年最新】経営者保証を外せる信用保証制度とは?個人保証なしで融資を受ける方法

【2026年最新】経営者保証を外せる信用保証制度とは?個人保証なしで融資を受ける方法 一ノ瀬公認会計士・税理士事務所

【2026年最新】経営者保証を外せる信用保証制度とは?個人保証なしで融資を受ける方法を税理士が解説

「会社の借入金について、社長個人の連帯保証を外したい」

「事業を拡大したいけれど、個人資産まで保証するのは不安」

「後継者に会社を引き継ぐ際、借入金の個人保証をどうすればよいのか」

このような悩みを抱えている中小企業経営者は少なくありません。

実は、一定の条件を満たせば、社長個人の経営者保証を付けずに信用保証協会の保証付き融資を利用できる制度があります。

今回は、2026年10月時点の制度をもとに、経営者保証を外すための条件、保証料、既存借入の借換え、赤字企業の取扱いまで、公認会計士・税理士の立場から分かりやすく解説します。

1.結論:社長個人の連帯保証を付けずに融資を受けられる可能性があります

【この記事の結論】

  • 一定の要件を満たせば、経営者保証なしで信用保証付き融資を受けられる
  • 信用保証料率の上乗せは原則0.25%または0.45%
  • 2027年3月31日までの特別保証制度では、上乗せ保証料率のうち0.05%相当を国が補助
  • 既存借入も借換えによって経営者保証を見直せる可能性がある
  • 赤字決算でも、一定の財務要件を満たせば利用できる可能性がある

重要なのは、金融機関から提案されるのを待つのではなく、自社から経営者保証の見直しを相談することです。

2.そもそも経営者保証とは?

経営者保証とは、会社が金融機関から融資を受ける際に、社長などの経営者が個人として連帯保証人になることです。

例えば、会社が銀行から5,000万円を借り入れ、社長が連帯保証人になっている場合を考えます。

会社が返済できなくなったとき、社長個人も保証契約に基づく返済責任を負う可能性があります。

経営者保証は金融機関にとって信用補完の役割を果たす一方、経営者にとっては大きな心理的・経済的負担となります。

また、後継者への事業承継や新規事業への挑戦を妨げる原因にもなり得ます。

3.経営者保証を不要にできる2つの信用保証制度

2024年3月15日から、信用保証料率を上乗せすることで経営者保証を提供しないことを選択できる制度が開始されました。

① 事業者選択型経営者保証非提供制度

一定の要件を満たす法人が、通常の信用保証料率に0.25%または0.45%を上乗せすることで、経営者保証を不要にできる仕組みです。

対象となる個別の信用保証制度に横断的に適用されるもので、すべての融資が自動的に無保証になるわけではありません。

② 事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証制度

経営者保証を不要とする取組を促進するため、一定期間、上乗せされる信用保証料の一部を国が補助する制度です。

2026年4月1日から2027年3月31日までの保証申込分については、年0.05%相当の保証料補助が設けられています。

比較項目 横断的制度 促進特別保証制度
経営者保証 不要 不要
保証料上乗せ 0.25%または0.45% 0.25%または0.45%
国の補助 適用する個別制度による 2026年度申込分は0.05%相当
保証限度額 対象となる保証制度による 原則8,000万円
保証期間 対象となる保証制度による 分割返済は10年以内
取扱期限 対象となる保証制度による 2027年3月31日

なお、保証料の補助は現金給付ではなく、所定の保証料負担を軽減する仕組みです。

4.経営者保証を外すための5つの条件

制度を利用するには、原則として次の条件を満たす必要があります。

確認項目 主な要件
① 財務情報の提出 過去2年間、金融機関の求めに応じて決算書等を提出していること
② 法人と個人の分離 直近決算で代表者への貸付金等がなく、役員報酬等が社会通念上相当な範囲であること
③ 財務要件 債務超過でない、または直近2期の減価償却前経常利益が連続赤字でないこと
④ 継続的な誓約 ①と②を継続して満たすことを誓約する書面を提出すること
⑤ 経営者保証の非提供希望 保証料の上乗せを受け入れ、経営者保証を提供しないことを希望すること

法人設立後の決算がまだ完了していない場合などには、一部の要件に例外があります。

また、これらの条件を満たしていても、金融機関や信用保証協会による審査は必要です。

5.赤字決算や債務超過でも利用できる?

経営者からよくいただく質問が、「赤字でも個人保証を外せますか?」というものです。

結論として、赤字だからといって直ちに対象外になるわけではありません。

財務要件には、次の2つがあります。

  • A:直近決算で債務超過ではない
  • B:直近2期の減価償却前経常利益が連続して赤字ではない

原則として、このいずれかを満たす必要があります。

財務状況 上乗せ保証料率 財務要件の判定
A・B両方を満たす 0.25% 充足
A・Bの一方を満たす 0.45% 充足
A・B両方を満たさない 原則利用対象外 不充足

例えば、当期が赤字でも、純資産がプラスであれば財務要件を満たす可能性があります。

反対に、債務超過で、直近2期の減価償却前経常利益も連続赤字の場合は、原則として対象外です。

なお、減価償却前経常利益とは、経常利益に減価償却費を加えた指標です。

医療機関や設備投資の多い会社では、減価償却費が大きくなることがあるため、通常の経常利益だけで判断しないことが重要です。

6.信用保証料は実際にいくら増える?

経営者保証を外す場合、追加の信用保証料が必要となります。

例えば、借入金5,000万円、保証期間5年、上乗せ保証料率0.25%の場合を考えます。

元本が5年間変わらないと仮定した単純計算では、追加保証料は次のようになります。

5,000万円 × 0.25% × 5年 = 62万5,000円

年0.05%相当の補助を同じ方法で概算すると、12万5,000円の軽減です。

差引の追加負担イメージ:50万円

ただし、これは元本が減らないと仮定した比較用の概算です。

実際の信用保証料は、返済方法、保証期間、保証料計算方式などによって異なります。元金均等返済などで借入残高が減少する場合には、上記の金額と一致しません。

正式な保証料は、金融機関または信用保証協会に見積もりを依頼してください。

重要なのは、追加保証料だけで判断しないことです。

経営者個人が負う保証債務のリスクを軽減できるメリットと比較して検討する必要があります。

7.すでに借りている融資の経営者保証も外せる?

既存借入についても、借換えなどを通じて経営者保証を見直せる可能性があります。

例えば、現在の借入金3,000万円に社長個人の連帯保証が付いている会社を考えます。

既存融資を経営者保証なしの新たな保証付き融資へ借り換えられれば、従来の保証契約を解消できる可能性があります。

ただし、現在の融資契約から自動的に経営者保証が外れるわけではありません。

借換えには、新たな保証・融資審査や、既存融資の完済、保証契約の取扱いなどの確認が必要です。

借換えで確認したい4つのポイント

  • 現在の借入金残高と返済期間
  • 借換え後の金利と信用保証料
  • 経営者保証を解除できるか
  • 毎月の返済額と資金繰りへの影響

経営者保証の解除だけでなく、借換えによって返済期間や資金繰りがどう変わるかも重要です。

8.役員貸付金がある会社は要注意

制度の利用を検討する際、特に注意したいのが役員貸付金です。

例えば、会社の貸借対照表に「役員貸付金500万円」が計上されている場合、代表者への貸付金等がないという要件に抵触する可能性があります。

役員貸付金は、法人と経営者個人のお金が十分に分離されていないと判断される原因にもなります。

そのため、制度の利用を希望する会社では、次の対応を検討することが重要です。

  • 役員貸付金の発生原因を確認する
  • 返済計画を作成する
  • 役員報酬の水準を確認する
  • 会社と個人の支出を明確に区分する
  • 決算書の勘定科目の内容を確認する

ただし、帳簿上の科目を変更するだけで要件を満たすわけではありません。実際の債権債務の内容に基づいて適切に処理する必要があります。

9.クリニック・歯科医院・医療法人にも関係する?

医療法人が金融機関から借入れを行う際にも、理事長等の個人保証が問題になる場合があります。

例えば、医療機器の導入、クリニックの移転、分院展開などでは、多額の設備投資資金が必要になることがあります。

このような場合、経営者保証なしで資金調達できれば、理事長個人の保証リスクを抑えながら経営を進められる可能性があります。

ただし、医療法人については、法人の種類、保証制度の対象要件、借入目的などによって取扱いが異なります。一般企業と同じ条件で必ず利用できるとは限りません。

また、個人開業の医師・歯科医師については、法人代表者の経営者保証とは法的な位置付けが異なります。

医療法人化や事業承継を検討する際には、税金だけでなく、既存借入金と個人保証の取扱いも確認しておくことが大切です。

10.経営者保証を外すメリットと注意点

比較項目 期待できるメリット 注意点
個人資産 保証債務のリスク軽減 別の保証契約や担保提供は個別確認が必要
資金調達 経営者保証なしで融資を検討できる 融資審査が不要になるわけではない
事業承継 後継者の保証負担を軽減できる可能性 既存保証の解除は別途確認が必要
資金コスト 一定期間は保証料補助を利用できる 保証料の追加負担が発生する

11.今から経営者が確認すべきこと

経営者保証を外したい場合、まずは次の5項目を確認してください。

  • ① 借入金ごとに社長個人の保証が付いているか
  • ② 直近決算で債務超過になっていないか
  • ③ 直近2期の減価償却前経常利益はどうなっているか
  • ④ 役員貸付金などが計上されていないか
  • ⑤ 金融機関へ経営者保証の解除を相談したことがあるか

特に、借入金が複数ある場合には、金融機関別に一覧表を作成することをおすすめします。

保証付き融資とプロパー融資では、経営者保証の見直し方法が異なるためです。

12.税理士として提案したい「次の一手」

経営者保証を外すことは、単に社長個人のリスクを減らすだけの取組ではありません。

当事務所では、経営者保証の見直しをきっかけに、会社全体の財務体質と資金調達条件を改善することが重要だと考えています。

提案① 借入金を一覧化して保証条件を見直す

金融機関別に借入金残高、金利、返済期間、保証の有無を整理します。

そのうえで、保証解除、借換え、金利見直しの余地を確認します。

提案② 役員貸付金の解消を検討する

代表者への貸付金がある場合は、その内容と返済可能性を確認し、適切な解消計画を検討します。

提案③ 月次決算で財務情報の透明性を高める

金融機関へ定期的に試算表や資金繰り表を提出できる体制を整えます。

決算書の提出だけでなく、業績の変化や改善策まで説明できることが重要です。

提案④ 借換えと返済期間の見直しを同時に行う

経営者保証の解除を検討する際には、毎月の元金返済額、金利、保証料も比較します。

資金繰りに無理のない返済計画を作ることが、継続的な経営安定につながります。

提案⑤ 事業承継や医療法人化と合わせて検討する

将来の事業承継や医療法人化を検討している場合には、税負担、借入金、個人保証を一体で確認することが重要です。

13.まとめ:経営者保証は外せる可能性があります。まずは決算書と借入契約を確認しましょう

経営者保証は、すべての会社で当然に必要となるものではありません。

一定の条件を満たせば、信用保証料を上乗せすることで、社長個人の保証を付けずに融資を受けられる可能性があります。

また、既存借入についても、借換えなどによって見直しを検討できる場合があります。

2027年3月31日までの保証申込分については、促進特別保証制度による保証料補助も設けられています。

まずは、現在の借入金の保証条件と直近2期の決算内容を確認してみてください。

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一ノ瀬公認会計士・税理士事務所
【超提案型】公認会計士・税理士 一ノ瀨 聡

参考資料・出典

※本記事は2026年10月23日時点で確認できる公表資料に基づいて作成しています。制度の適用や融資審査、保証料の実額については個別の確認が必要です。

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