【2026年最新】クリニック・歯科医院の開業支援|融資・税務・経営を税理士が解説

【2026年最新】クリニック・歯科医院の開業支援|資金調達・税務・経営を税理士が解説
「将来は自分のクリニックを開業したい」
「開業資金はいくら必要なのだろうか?」
「銀行から融資を受けられるのか不安」
「開業する前から税理士に相談した方がよいのだろうか?」
独立開業を検討している医師・歯科医師の先生方にとって、開業は人生の大きな決断です。
しかし、医療機関の開業には、診療技術だけでなく、資金調達、立地選定、設備投資、スタッフ採用、税務対策、患者数の確保など、さまざまな経営判断が必要になります。
特に重要なのは、開業すること自体をゴールにしないことです。
開業後も安定した経営を続け、患者様に選ばれるクリニックを育てていくためには、開業前からの準備が欠かせません。
【結論】医療機関の開業で重要なのは、開業資金の確保だけではありません。
開業後の患者数、売上、利益、人件費、借入金返済、資金繰りまで見据えた事業計画を作成することが大切です。
税理士・公認会計士に早い段階から相談することで、無理のない資金調達や設備投資、税務対策、開業後の経営改善まで一体的に検討できます。
- 1.クリニック・歯科医院の開業で失敗しないために
- 2.クリニックの開業資金はいくら必要?
- 3.クリニック開業融資を成功に近づける事業計画書の作り方
- 4.開業後の売上はいくら必要?損益分岐点を計算する
- 5.患者数から逆算した売上計画を作る
- 6.2026年のクリニック開業で注意したい制度変更
- 7.クリニック開業に必要な行政手続き
- 8.個人開業と医療法人化、どちらが有利?
- 9.開業後に患者様から選ばれるクリニックを作る
- 10.開業後は毎月の数字を経営改善に活用する
- 11.開業前から税理士・公認会計士に相談するメリット
- 12.開業前に確認したいチェックリスト
- 13.税理士・公認会計士として提案したい「次の一手」
- 14.まとめ|クリニック開業は経営計画から始めましょう
- クリニック・歯科医院の開業支援は一ノ瀬公認会計士・税理士事務所へ
- 参考資料・出典
1.クリニック・歯科医院の開業で失敗しないために
医療機関の開業準備では、物件や医療機器の選定に多くの時間を費やすことがあります。
もちろん、患者様に良質な医療を提供するための設備は重要です。
しかし、経営面から考えると、設備投資に資金を使いすぎてしまうことには注意が必要です。
例えば、開業時に最新の医療機器を多数導入しても、その機器を十分に活用できる患者数が確保できなければ、投資に見合う収益が得られない可能性があります。
また、開業直後は患者数が安定しないことも考えられます。
その間も、家賃、人件費、医療機器のリース料、借入金の返済などは発生します。
開業前に確認すべきことは、「いくら借りられるか」だけでなく、「いくらなら無理なく返済できるか」という視点です。
2.クリニックの開業資金はいくら必要?
開業資金は、診療科目、物件、医療機器、スタッフ数などによって大きく異なります。
特に、歯科医院では歯科ユニットや画像診断装置、脳神経外科ではCT・MRIなど、導入する設備によって必要資金が変わります。
開業資金は、大きく「設備資金」と「運転資金」に分けて考えます。
開業時に必要となる主な費用
| 費用項目 | 主な内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 物件取得費 | 敷金、保証金、仲介手数料 | 契約期間や解約条件も確認 |
| 内装工事費 | 診察室、受付、待合室、給排水設備 | 追加工事費が発生する可能性 |
| 医療機器費 | 診療機器、検査機器、歯科ユニット | 購入とリースを比較 |
| システム費 | 電子カルテ、レセコン、予約システム | 月額費用や保守費用も確認 |
| 採用・研修費 | 求人広告、採用費、開業前研修 | 開業前の給与も見込む |
| 広告宣伝費 | ホームページ、看板、内覧会 | 医療広告規制に注意 |
| 運転資金 | 人件費、家賃、材料費など | 売上が安定するまでの資金を確保 |
開業資金6,000万円の具体例
例えば、テナント型の無床クリニックを開業する場合、次のような資金計画を考えてみます。
なお、以下は説明のための仮定であり、実際の平均的な開業費用を示すものではありません。
| 資金項目 | 想定金額 |
|---|---|
| 物件取得費 | 500万円 |
| 内装工事費 | 2,000万円 |
| 医療機器・システム | 1,500万円 |
| 採用・広告・その他 | 500万円 |
| 運転資金 | 1,500万円 |
| 必要資金合計 | 6,000万円 |
仮に自己資金1,500万円を用意できる場合、残り4,500万円を金融機関から借り入れる計画が考えられます。
ただし、融資が受けられるかどうかは、自己資金、事業計画、信用状況、返済能力などによって異なります。
重要なのは、設備投資に必要な金額を積み上げるだけでなく、開業後の返済負担から逆算して資金計画を作ることです。
3.クリニック開業融資を成功に近づける事業計画書の作り方
医療機関の開業資金は、民間金融機関や日本政策金融公庫などから調達することが考えられます。
融資を検討する際には、金融機関に対して、開業後の収益性と返済能力を説明できる事業計画書が重要になります。
金融機関に説明すべき主な内容
| 確認項目 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 開業目的 | 診療方針、専門性、地域医療への貢献 |
| 診療圏 | 人口、年齢構成、競合医療機関 |
| 売上計画 | 患者数、診療単価、診療日数 |
| 経費計画 | 人件費、家賃、材料費、委託費 |
| 設備投資 | 導入する医療機器と投資効果 |
| 返済計画 | 毎月の返済額、返済原資、資金繰り |
| リスク対策 | 患者数が計画を下回った場合の対応 |
例えば、「1日50人の患者様が来院する予定です」と説明するだけでは、計画の実現可能性を十分に示せません。
診療圏の人口や競合状況、診療時間、診療内容などから、患者数の根拠を整理することが大切です。
また、患者数が計画を下回った場合の資金繰りも確認しておく必要があります。
当事務所では、単なる売上予測だけでなく、借入返済や現金預金の推移まで踏まえた経営計画の重要性を重視しています。
4.開業後の売上はいくら必要?損益分岐点を計算する
クリニックを開業する際には、毎月いくらの売上があれば経営を維持できるのかを把握しておくことが重要です。
ここでは、月間医業収益600万円を想定したクリニックの収支を考えます。
| 月次経営項目 | 想定金額 |
|---|---|
| 医業収益 | 600万円 |
| 材料費等の変動費 | 60万円 |
| 人件費 | 180万円 |
| 家賃 | 50万円 |
| その他固定費 | 110万円 |
| 減価償却費 | 50万円 |
| 営業利益相当額 | 150万円 |
このケースでは、変動費率は10%、固定費は390万円です。
損益分岐点売上高は、次のように計算できます。
390万円 ÷(1-10%)= 約433万円
つまり、月間売上が約433万円を下回ると、営業損失が発生する計算です。
ただし、これは一定の費用構造を仮定した単純計算です。
さらに注意したいのは、借入金の元本返済は原則として費用にならないことです。
そのため、会計上は利益が出ていても、借入返済によって現金預金が減少することがあります。
個人開業の場合は、院長先生ご自身の生活費や税金、社会保険料も考慮しなければなりません。
開業前から損益計画と資金繰り計画の両方を作成することが重要です。
5.患者数から逆算した売上計画を作る
売上計画を作る際には、必要な患者数を具体的に計算してみましょう。
例えば、次の条件を想定します。
- 目標月間売上:600万円
- 月間診療日数:24日
- 患者1人当たり平均診療収益:8,000円
この場合、必要な1日当たり患者数は次のとおりです。
600万円 ÷ 24日 ÷ 8,000円 = 31.25人
つまり、1日平均約32人の患者数が必要になります。
ただし、実際の診療単価は診療科目、初診・再診の割合、検査内容、保険診療・自由診療の構成などによって異なります。
歯科医院の場合は、チェア台数、診療時間、患者様の予約状況、メンテナンスの継続受診なども重要です。
開業後は、売上だけでなく、新患数、再診数、診療単価、予約状況などを毎月確認することをおすすめします。
6.2026年のクリニック開業で注意したい制度変更
2026年には、医療機関の新規開設や保険医療機関の管理者に関係する制度変更が行われています。
外来医師過多区域での無床診療所開設に関する事前届出
2026年4月1日から、都道府県知事が設定する外来医師過多区域において、新たに無床診療所を開設し、保険医療機関の指定を受けようとする場合、原則として開設6か月前までに地域外来医療の提供に関する意向等を届け出る制度が設けられています。
また、都道府県知事による地域で不足する医療機能に関する要請・勧告に従わない場合には、保険医療機関の指定期間が通常の6年間ではなく、3年以内となる場合があります。
すべての地域の開業が一律に制限されるわけではありませんが、開業予定地が対象区域に該当するか、早い段階で確認する必要があります。
保険医療機関の管理者要件も変更
2026年4月1日から、新たに保険医療機関の管理者となる医師・歯科医師について、保険医であることや一定の診療経験などの要件が設けられています。
経過措置や例外的な取扱いもあるため、開業予定の先生が要件を満たしているか、申請前に確認することが重要です。
特に、勤務医から独立開業する場合は、勤務歴や保険診療への従事歴などを確認しておきましょう。
7.クリニック開業に必要な行政手続き
医療機関の開業では、診療所の開設手続きと保険医療機関の指定手続きを区別する必要があります。
| 手続き | 主な提出・確認先 | 注意点 |
|---|---|---|
| 診療所開設許可・開設届 | 保健所・都道府県等 | 開設主体や施設形態によって異なる |
| 保険医療機関指定申請 | 地方厚生局 | 指定日と申請期限を確認 |
| 施設基準の届出 | 地方厚生局 | 算定する診療報酬に応じて確認 |
| 税務関係の届出 | 税務署等 | 開業形態や青色申告等に応じて確認 |
| 労働・社会保険関係 | 労働基準監督署、公共職業安定所、年金事務所等 | 雇用人数・事業形態に応じて確認 |
| オンライン資格確認 | 関係機関・システム事業者等 | 導入スケジュールと必要手続きを確認 |
一定の医師・歯科医師が個人で診療所を開設する場合には、医療法に基づき、原則として開設後10日以内の届出が必要です。
一方、医療法人などによる開設では、事前の開設許可が必要になるなど、手続きが異なります。
また、保険医療機関の指定申請には、別途締切日があります。
開業予定日に保険診療を開始できるよう、管轄の保健所と地方厚生局に早めに確認することが重要です。
8.個人開業と医療法人化、どちらが有利?
クリニックの開業では、個人事業として始めるか、医療法人による運営を検討するかも重要なテーマです。
| 比較項目 | 個人開業 | 医療法人 |
|---|---|---|
| 開業手続き | 比較的簡素 | 法人設立認可等が必要 |
| 所得への課税 | 原則として所得税 | 法人税等と役員個人への課税を検討 |
| 院長報酬 | 事業主本人への給与は原則として経費にならない | 役員報酬の設定が可能(損金算入には要件あり) |
| 社会保険 | 事業形態や人数等により判断 | 原則として強制適用事業所 |
| 事業承継 | 個人資産や事業の承継を検討 | 法人の形態や財産関係等を踏まえて検討 |
| 事務負担 | 比較的少ない | 法人運営・行政報告等の負担が増える |
医療法人化は、すべての医療機関に有利とは限りません。
所得水準、家族構成、社会保険負担、将来の設備投資、事業承継などを総合的に検討する必要があります。
開業当初は個人でスタートし、経営が安定してから医療法人化を検討する方法もあります。
9.開業後に患者様から選ばれるクリニックを作る
医療機関の経営を安定させるためには、開業後の患者数を確保する取り組みも重要です。
ただし、単に広告費を増やせば患者数が増えるわけではありません。
患者様が安心して来院できる環境を整え、継続的に信頼される医療機関を目指すことが大切です。
受付スタッフの対応を改善する
患者様が最初に接するのは、受付スタッフであることが多くあります。
電話対応、予約案内、会計時の説明など、日々の対応が患者様の満足度に影響します。
例えば、次のような取り組みが考えられます。
- 電話対応や受付対応のマニュアルを整備する
- 予約変更やキャンセル時の対応を統一する
- 患者様からの質問や不満を院内で共有する
- スタッフ研修を定期的に実施する
- 診療上必要な次回受診について分かりやすく案内する
ホームページとGoogleマップを活用する
開業前から、ホームページやGoogleビジネスプロフィールを整備しておくことも重要です。
診療内容、診療時間、アクセス、駐車場、予約方法などを分かりやすく掲載しましょう。
なお、医療機関の広告には規制があります。医療広告ガイドライン等を確認し、誇大広告や患者様に誤認を与える表現を避ける必要があります。
10.開業後は毎月の数字を経営改善に活用する
開業後は、毎月の試算表を作成するだけでなく、経営改善に活用することが重要です。
| 経営指標 | 確認する内容 | 改善提案の例 |
|---|---|---|
| 医業収益 | 月次売上と計画との差 | 患者数や診療内容の分析 |
| 患者数 | 新患数・再診数・予約状況 | 予約導線や受付対応の改善 |
| 人件費 | 給与・法定福利費と売上の関係 | 適正な人員配置の検討 |
| 材料費 | 医薬品・診療材料の使用額 | 在庫管理・仕入条件の見直し |
| 借入金 | 借入残高・毎月の返済額 | 返済計画や借入条件の検討 |
| 現金預金 | 預金残高と今後の支払予定 | 資金繰り予測の更新 |
例えば、売上が増加していても、人件費や材料費がそれ以上に増加していれば、利益は減少します。
また、利益が出ていても、借入金返済や設備投資によって現金預金が減少することがあります。
売上・利益・現金預金を一体的に分析することが、安定したクリニック経営につながります。
11.開業前から税理士・公認会計士に相談するメリット
税理士への相談は、開業後の確定申告からで十分だと考えていませんか?
実際には、開業前から相談することで、資金調達や設備投資、税務上の判断を整理できる場面があります。
① 金融機関に説明できる事業計画を作成する
患者数、診療単価、人件費、借入返済などを数値化し、無理のない経営計画を検討します。
② 設備投資の優先順位を整理する
医療機器を購入するかリースするか、開業時にすべて導入するか、段階的に導入するかなど、資金繰りを踏まえて検討します。
③ 開業時の税務対策を検討する
青色申告、減価償却、消費税、給与計算など、開業形態に応じた税務上の対応を確認します。
特に医療機関では、社会保険診療と自由診療の消費税上の取扱いが異なるため、設備投資に伴う消費税負担にも注意が必要です。
④ 開業後の経営改善につなげる
毎月の売上や利益だけでなく、患者数、人件費、材料費、借入金、資金繰りなどを分析し、改善策を検討します。
12.開業前に確認したいチェックリスト
開業を検討している先生は、次の項目を確認してみてください。
- □ 開業予定地の人口・競合医療機関を調査した
- □ 開業に必要な設備資金を見積もった
- □ 開業後の運転資金を確保できる計画になっている
- □ 自己資金と借入予定額を整理した
- □ 金融機関向けの事業計画書を作成した
- □ 患者数と診療単価から売上を試算した
- □ 損益分岐点を把握した
- □ 借入金返済と生活費を含む資金繰りを確認した
- □ 開業予定地に適用される制度を確認した
- □ 保健所・地方厚生局の手続きを確認した
- □ スタッフ採用と研修の計画を作成した
- □ ホームページ・予約システムの準備を進めた
- □ 開業後の月次経営管理の方法を決めた
すべてを院長先生お一人で進める必要はありません。
専門家と役割分担をしながら、開業予定日から逆算して準備を進めることが重要です。
13.税理士・公認会計士として提案したい「次の一手」
当事務所が医療機関の開業支援で重視しているのは、開業前の手続きだけでなく、開業後の経営を見据えることです。
例えば、次のような検討が考えられます。
- 資金調達:借入額だけでなく、返済期間や返済開始時期を踏まえた資金繰りを検討する
- 設備投資:医療機器の稼働率や収益性を考慮し、導入時期を判断する
- 経費削減:材料費、保守契約、リース契約、保険契約などを定期的に見直す
- 売上向上:患者数、診療単価、予約状況などを分析し、患者様の利益に配慮した改善を検討する
- 業務効率化:電子カルテ、予約システム、会計ソフトなどの連携を検討する
- 税務対策:開業形態、設備投資、医療法人化などを中長期的に検討する
医療機関の経営では、医療の質を維持しながら、収益性と資金繰りを両立させることが重要です。
そのためには、開業前から数字に基づいた経営判断を行うことをおすすめします。
14.まとめ|クリニック開業は経営計画から始めましょう
クリニック・歯科医院の開業は、医師・歯科医師の先生方にとって大きな挑戦です。
しかし、開業資金を調達し、医療機器を導入するだけでは、安定した経営が約束されるわけではありません。
開業後の患者数、売上、利益、人件費、借入金返済、資金繰りまで考えた計画が必要です。
また、2026年には医療機関の開設や管理者に関係する制度変更も行われています。
開業予定地や診療科目、開設形態に応じて、必要な手続きを早めに確認することが大切です。
開業を成功に近づけるために、物件契約や設備投資を決定する前から、税理士・公認会計士に相談することをおすすめします。
クリニック・歯科医院の開業支援は一ノ瀬公認会計士・税理士事務所へ
一ノ瀬公認会計士・税理士事務所では、医科・歯科をはじめとする医療機関の経営支援に力を入れています。
開業前の資金調達や事業計画の作成だけでなく、開業後の財務分析、資金繰り改善、経費削減、売上向上、医療法人化など、幅広い経営課題に対応しています。
大阪・堺市を拠点に、医療機関の先生方が安心して診療に専念できる経営体制づくりをサポートします。
当事務所は、単なる申告作業にとどまらず、節税・相続・保険の見直しから、売上アップや経費削減に至るまで、お客様の利益を最大化する「次の一手」を能動的にご提案します。
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一ノ瀬公認会計士・税理士事務所
【超提案型】公認会計士・税理士 一ノ瀨 聡
参考資料・出典
※本記事は2026年10月時点の制度情報をもとに作成しています。行政手続き、融資、税務上の取扱いは個別事情により異なるため、実際の開業に当たっては関係機関や専門家への確認が必要です。金額・患者数の計算例は説明のための仮定です。










