【2026年10月改正】ふるさと納税は9月中がお得?変更点を税理士が解説

【2026年ふるさと納税】10月から何が変わる?今年は「9月」と「年末」の2回確認がおすすめ
ふるさと納税を毎年利用されている方へ。
2026年は、いつもの年と少し違います。
2026年10月から、ふるさと納税について自治体が守るルールが変わるためです。
「10月になる前にふるさと納税をした方がいい?」
「自己負担2,000円の仕組みも変わる?」
「返礼品が少なくなるって本当?」
このような疑問をお持ちの方も多いと思います。
そこで今回は、難しい制度の説明だけではなく、
「では、2026年は実際にどう動けばいいのか?」
というところまで、税理士の視点から分かりやすく解説します。
① 9月
欲しい返礼品の現在の条件を確認する
② 年末
今年の所得を確認して、残りの寄附額を決める
まず知っておきたい|10月から自己負担2,000円がなくなるわけではありません
今回の制度変更について、
「10月からふるさと納税がお得ではなくなる」
と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、少し意味が違います。
ふるさと納税では、一定の上限までであれば、寄附した金額のうち2,000円を超える部分が所得税・翌年度の住民税から控除されます。
例えば、控除できる範囲内で50,000円を寄附した場合、
50,000円 − 2,000円 = 48,000円
が控除される、というのが基本的な考え方です。
2026年10月の制度変更によって、この基本的な控除の仕組み自体がなくなるわけではありません。
ですから、
「10月になると税金の控除が受けられなくなるから、9月中に寄附しなければ!」
と慌てる必要はありません。
【出典】国税庁「ふるさと納税をされた方へ」
では、2026年10月から何が変わる?
今回注目したいのは、私たちが支払った寄附金のうち、自治体が実際に地域のために使えるお金を増やしていく仕組みです。
ふるさと納税で10,000円を寄附したとします。
私たちから見れば「自治体に10,000円寄附した」ということになります。
しかし、自治体では、例えば次のような費用が発生します。
- 返礼品を用意する費用
- 返礼品を発送する費用
- 寄附を受け付けるための費用
- ふるさと納税を運営するための費用
寄附された10,000円 = 10,000円すべてを地域のために使える、というわけではありません。
そこで今回、
「寄附を集めるための費用を差し引いた後、地域で活用できるお金を一定以上残す」
という方向でルールが見直されています。
2026年10月からは、まず「52.5%以上」
財務省が公表している令和8年度税制改正の大綱では、段階的に基準を引き上げる仕組みが示されています。
| 期間 | 地域に活用できる金額の基準 |
|---|---|
| 2026年10月~2027年9月 | 52.5%以上 |
| 2027年10月~2028年9月 | 55%以上 |
| 2028年10月~2029年9月 | 57.5%以上 |
| その後 | 原則60%以上 |
【出典】財務省「令和8年度税制改正の大綱」
10,000円の寄附で考えてみると、2026年10月以降の最初の段階では、
10,000円の寄附
↓
5,250円以上
を地域のために活用できる状態へ
これまで以上に、
「寄附を集めるためにいくら使ったのか」「最終的に地域にいくら残ったのか」
が重要になります。
私たちに関係するのは「返礼品」
「それは自治体の話で、自分には関係ないのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、私たちにも影響する可能性があります。
自治体が寄附を集めるために使える費用を抑える必要が出てくれば、返礼品についても見直しが行われる可能性があるからです。
寄附額10,000円 → お米10kg
という返礼品があったとします。
新しいルールの中で同じ条件を維持することが難しくなれば、
① 寄附金額を変更する
② 内容量を変更する
③ 返礼品そのものを見直す
といった対応も考えられます。
「2026年10月1日から全国すべての返礼品が値上がりする」という意味ではありません。実際の対応は自治体や返礼品によって異なります。
では、9月中にふるさと納税した方がいい?
ここからが実務上、一番重要です。
欲しい返礼品がすでに決まっている方は、9月中に一度確認することをおすすめします。
例えば、
- 毎年同じお米を頼んでいる
- 毎年同じお肉を頼んでいる
- 今年絶対に欲しい返礼品がある
- 現在の寄附金額なら申し込みたい
という方です。
10月以降に条件が変わる可能性がある以上、現在の条件を確認したうえで、9月中に寄附するか判断する価値があります。
ただし、
「9月中に年間の限度額いっぱいまで寄附しましょう」という意味ではありません。
経営者・個人事業主・開業医は、9月に全部寄附しない方がいい場合も
当事務所のお客様には、経営者、個人事業主、開業医の方が多くいらっしゃいます。
このような方は、年によって所得が大きく変わることがあります。
例えば、
- 売上や患者数が増えた
- 人件費が増えた
- 医療機器など大きな設備投資をした
- 不動産所得が増減した
- 株式や不動産を売却した
などによって、最終的な所得は変わります。
所得が変われば、ふるさと納税の目安となる金額も変わります。
「去年20万円寄附できたから、今年も20万円で大丈夫」とは限りません。
当事務所がおすすめする「2026年の2回チェック」
「返礼品」を確認
今の条件で欲しい返礼品があるかを確認し、今年の所得から考えて無理のない範囲で一部を寄附します。
「今年の所得」を確認
今年の利益や所得を予測して、残りのふるさと納税額を調整します。
↓
経費を確認
↓
今年の利益を予測
↓
所得・税額を試算
↓
ふるさと納税の残りの金額を確認
ふるさと納税を「年末の節税チェック」のきっかけに
経営者や個人事業主の方には、もう一歩踏み込んで考えていただきたいと思います。
年末にふるさと納税の限度額を確認するためには、
「今年はいくら儲かりそうなのか?」
を計算する必要があります。
実は、この作業が非常に重要です。
ふるさと納税を確認
↓
今年の利益を確認
↓
税金を予測
↓
年末までにできる節税・資金繰り対策を確認
ふるさと納税だけを見るのではなく、会社や事業全体のお金を確認する機会として活用するのがおすすめです。
高所得者の方は、別の改正にも注意
令和8年度税制改正の大綱では、ふるさと納税の住民税における特例控除額について、従来の所得割額に応じた上限に加えて、金額による上限を設ける内容も示されています。
道府県民税:77万2,000円
市町村民税:115万8,000円
ただし、こちらは2026年10月からの変更ではありません。
令和10年度分以後の個人住民税から適用される改正です。
【出典】財務省「令和8年度税制改正の大綱」
まとめ|2026年は「9月に返礼品、年末に税金」を確認
✓ 2026年10月から自治体側のルールが変わる
✓ まず52.5%以上を地域で活用できる状態にする基準が設けられる
✓ この割合は段階的に引き上げられる
✓ 返礼品の寄附金額や内容が変更される可能性がある
✓ 自己負担2,000円という基本的な考え方が10月からなくなるわけではない
✓ 欲しい返礼品がある方は9月中に一度確認
✓ 経営者・個人事業主・開業医は年末に所得を予測して残りの寄附額を確認
特に経営者、個人事業主、開業医の方の場合、
「ふるさと納税はいくらできますか?」
という質問だけで終わらせるのは、少しもったいないと思います。
せっかく今年の所得を計算するのであれば、
- 今年の利益はいくらになりそうか?
- 税金はいくらになりそうか?
- 年末までにできる節税はないか?
- 納税資金は十分に準備できているか?
まで一緒に確認してみてください。
当事務所では、税金が確定してからご説明するだけではなく、
税金が確定する前に数字を予測し、次にできる対策をご提案すること
を大切にしています。
制度を知るだけではなく、ご自身の所得や事業の数字に当てはめて考えることが大切です。
参考・出典
本記事では、制度上の事実・適用時期・割合・金額について、以下の行政機関が公表している資料を確認しています。
財務省
「令和8年度税制改正の大綱」
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_01.htm
国税庁
「ふるさと納税をされた方へ」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/furusato.htm
※本記事は2026年9月19日時点で公表されている情報をもとに、一ノ瀬公認会計士・税理士事務所が独自に制度内容を整理し、実務上の考え方を加えて作成しています。今後、制度の詳細等が変更される可能性がありますので、実際にふるさと納税を行う際には最新情報をご確認ください。
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