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【2026年最新】役員貸付金の金利が1.3%に上昇!税理士が解説

役員貸付金の金利1.3%へ上昇 一ノ瀬公認会計士・税理士事務所

【2026年最新】役員貸付金の金利が1.3%に上昇!無利息・低金利の税務リスクを税理士が解説

会社から社長や役員へお金を貸している場合、その貸付金に利息を設定していますか?

「自分の会社だから無利息でも問題ない」「以前から年0.9%で計算している」という経営者の方は、注意が必要です。

国税庁が公表している2026年(令和8年)中の役員・従業員への貸付金に関する基準利率は、前年の年0.9%から年1.3%に上昇しました。

【結論】2026年中に新たに行う役員貸付金は、利率の確認が必要です。

国税庁が示す基準利率は年1.3%です。ただし、会社が外部から借り入れて貸し付けた場合や、合理的な平均調達金利を採用する場合などには、異なる取扱いがあります。

無利息・低金利の貸付けを放置すると、利息相当額が給与として課税される可能性があります。

1.2026年の役員貸付金の基準利率は1.3%に上昇

国税庁のタックスアンサーNo.2606「金銭を貸し付けたとき」では、会社が役員や従業員に金銭を貸し付けた場合の利息について説明しています。

会社が他から借り入れた資金をそのまま貸し付ける場合などを除き、貸付けを行った年に応じた基準利率を用います。

貸付けを行った年 国税庁の基準利率
2021年(令和3年) 1.0%
2022年~2025年(令和4年~7年) 0.9%
2026年(令和8年) 1.3%

2026年は前年より0.4ポイント上昇しています。

ただし、これは2026年中に貸し付けた場合の基準利率です。過去の貸付金について、年が変わっただけで自動的に1.3%へ切り替わるものではありません。

2.なぜ今、役員貸付金の金利を確認すべきなのか?

日本銀行は2026年9月、政策金利を1.25%程度へ引き上げました。

金融市場全体で金利の上昇が意識されるなか、会社の借入金だけでなく、役員や従業員に対する貸付金についても、適切な利率を設定しているか確認することが重要です。

ただし、日本銀行の政策金利と、役員貸付金の税務上の基準利率は異なるものです。

税務上の利率は、国税庁が示す取扱いと個々の貸付条件に基づいて判断する必要があります。

3.会社が社長に無利息で貸すとどうなる?

会社が社長にお金を貸すこと自体が、直ちに問題となるわけではありません。

問題になるのは、合理的な理由なく無利息または著しく低い利率で貸し付けた場合です。

原則として、税務上の基準利率で計算した利息と、実際に支払った利息との差額が給与として課税される可能性があります。

具体例:社長に1,000万円を無利息で貸した場合

2026年に会社が社長へ1,000万円を新たに貸し付け、1年間を通じて残高が変わらないと仮定します。

計算項目 金額・利率
貸付金額 1,000万円
2026年の基準利率 1.3%
基準利率による年間利息 13万円
実際に受け取った利息 0円
給与課税の対象となり得る差額 13万円

この例では、原則として13万円が社長の給与として課税される可能性があります。

役員の場合には、法人側の役員給与の損金算入や源泉所得税の処理についても個別の検討が必要です。

なお、実際の利息計算では貸付日、返済日、残高の変動などを考慮します。

4.貸付金が大きい会社ほど影響も大きい

2026年中の新規貸付けについて、基準利率1.3%を使用した場合の年間利息相当額を比較してみましょう。

貸付金額 0.9%での年間利息 1.3%での年間利息 年間差額
500万円 45,000円 65,000円 20,000円
1,000万円 90,000円 130,000円 40,000円
2,000万円 180,000円 260,000円 80,000円
3,000万円 270,000円 390,000円 120,000円

※元本が1年間一定の場合の単純比較です。2025年の既存貸付金が自動的に1.3%へ変更されることを意味するものではありません。

貸付金額が3,000万円の場合、年1.3%では年間39万円の利息相当額となります。

会社と社長の間で適切な利息を授受しているかどうかは、決算や税務調査でも確認しておきたい事項です。

5.すべての役員貸付金に1.3%を適用するわけではない

ここは特に間違えやすいポイントです。

国税庁は、会社が役員や従業員へ貸し付ける場合の利率について、資金の調達方法などによる違いを示しています。

貸付けの状況 利率の基本的な考え方
会社が外部から借り入れて貸し付けた場合 その借入金の利率
2026年に自己資金等を貸し付けた場合 原則として年1.3%
会社の合理的な平均調達金利を採用する場合 合理性が認められる利率
2025年以前に行った貸付け 貸付年や個別の条件に基づいて判断

例えば、会社が銀行から年2.0%で借り入れた資金を社長に貸し付けた場合には、原則としてその借入金の利率が基準となります。

そのため、2026年だからといって、すべての貸付金を年1.3%で計算すればよいわけではありません。

6.無利息でも給与課税されない例外がある

国税庁は、一定の条件を満たす場合には、無利息または低い利率で貸し付けても給与として課税しなくてよい取扱いを示しています。

① 災害や病気などによる臨時の生活資金

災害や病気などにより臨時に多額の生活資金が必要となった役員や従業員に対して、合理的な金額や返済期間で貸し付ける場合です。

② 合理的な平均調達金利などを採用している場合

会社の借入金の平均調達金利など、合理的と認められる貸付利率を設定している場合です。

この場合には、利率の計算根拠を資料として保存しておくことが重要です。

③ 年間の利息差額が5,000円以下の場合

上記①②以外の貸付けで、基準利率による利息と実際の利息との差額が年間5,000円以下の場合も、給与課税しなくてよい取扱いがあります。

ただし、年間5,000円を超えた場合に、5,000円だけ控除して残額を課税するという制度ではありません。

7.歯科医院・クリニック・医療法人も確認が必要

医療法人や一般法人で、役員に対する貸付金が計上されている場合も、同様に注意が必要です。

例えば、医療法人の理事長に対する貸付金がある場合、次の事項を確認しましょう。

  • 理事長に対する貸付金の残高はいくらか
  • いつ貸し付けた資金なのか
  • 貸付契約書は作成しているか
  • 適切な利息を設定しているか
  • 毎月または毎年、返済が行われているか
  • 法人の会計帳簿と実際の資金移動が一致しているか

特に医療法人では、税務だけでなく、法人財産の適切な管理、役員との利益相反取引に関する手続、法人運営上の規制なども確認する必要があります。

また、個人開業の医院と医療法人では、院長個人と事業との法律上・税務上の関係が異なるため、同じように取り扱うことはできません。

8.役員貸付金は金融機関の融資審査にも影響する

役員貸付金の問題は、税金だけではありません。

会社の資金が社長個人に貸し付けられている場合、金融機関から資金の使途や返済可能性について説明を求められることがあります。

例えば、会社に現預金が500万円しかない一方、社長への貸付金が2,000万円ある場合を考えてみましょう。

会社の貸借対照表には2,000万円の資産が計上されていても、その資金をすぐに事業へ使用できるとは限りません。

さらに、会社が銀行借入れを利用している場合には、銀行へ支払う利息と、役員から受け取る利息の両方を管理する必要があります。

金利上昇局面では、役員貸付金の回収と資金繰りの改善を一体で考えることが重要です。

9.役員貸付金を減らすために検討したい方法

① 計画的に返済する

最も基本的なのは、役員個人から会社へ計画的に返済することです。

役員個人の収支と会社の資金繰りを確認し、無理のない返済計画を作成します。

② 貸付契約と利率を整理する

貸付契約書、返済期限、利率、利息の支払時期を明確にします。

過去の貸付金については、当初の貸付条件や契約変更の有無も確認しましょう。

③ 役員報酬や配当なども含めて検討する

役員貸付金を解消するために、役員報酬や配当などの活用を検討することもあります。

ただし、役員報酬には法人税法上の損金算入要件があり、配当には法人の分配可能額や税務上の取扱いなどの制約があります。

また、債権放棄によって貸付金を消す方法には、給与課税や法人税上の問題が生じる可能性があります。

安易に帳簿上の貸付金を消すのではなく、税務・法務・資金繰りを総合的に検討することが大切です。

10.今すぐ確認したい5つのチェックポイント

  • 貸借対照表に役員貸付金が計上されていないか
  • 貸付けを行った年と貸付金額を把握しているか
  • 貸付金の利率が合理的か
  • 利息の計算・受領・会計処理が適切か
  • 役員貸付金を減らすための返済計画があるか

特に2026年に新たに貸付けを行った会社は、基準利率が前年より上昇していることを踏まえ、適切な利率を確認してください。

11.税理士として提案したい「次の一手」

役員貸付金については、単に利息を計算するだけで終わらせるべきではありません。

当事務所では、次のような視点からの見直しをおすすめしています。

  • 税務対策:適切な利率と給与課税のリスクを確認する
  • 資金繰り改善:役員貸付金の回収によって会社の手元資金を増やす
  • 借入条件の見直し:銀行借入金の金利・返済期間を確認する
  • 財務改善:役員貸付金を整理し、金融機関へ説明しやすい決算書を目指す
  • 経営管理:役員貸付金の残高・利息・返済状況を毎月確認する仕組みを作る

例えば、役員貸付金2,000万円を回収できれば、その資金を銀行借入金の返済や運転資金に活用できる可能性があります。

ただし、実際の返済可能額や税務上の処理は個別に判断する必要があります。

役員貸付金を単なる会計上の数字として放置せず、会社の財務体質を改善するきっかけにすることが重要です。

12.まとめ|2026年は役員貸付金の利率と残高を確認しましょう

2026年中に会社が役員や従業員へ貸し付けた金銭について、国税庁が示す基準利率は原則として年1.3%となりました。

前年の0.9%から上昇しているため、2026年の新規貸付けについては特に注意が必要です。

ただし、すべての貸付金に一律1.3%を適用するわけではありません。資金の調達方法、貸付年、合理的な平均調達金利などを踏まえた判断が必要です。

大切なのは、適切な利率を設定することに加えて、役員貸付金そのものを減らし、会社の資金繰りを改善することです。

役員貸付金・資金繰り・税務対策のご相談について

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一ノ瀬公認会計士・税理士事務所
【超提案型】公認会計士・税理士 一ノ瀨 聡

参考資料・出典

※本記事は2026年10月15日時点で確認できる公表情報に基づき作成しています。実際の税務上の取扱いについては、個別の貸付条件等を踏まえて判断する必要があります。

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