税務調査は一般家庭にも来る?税務署が調べるケースを税理士が解説

「税務調査というと、会社や個人事業主に来るものでは?」
そう思われている方も多いのではないでしょうか。
しかし、会社員や年金生活者など、いわゆる一般家庭であっても、税務署から問い合わせを受けたり、税務調査の対象になったりすることがあります。
特に注意したいのが、次のようなケースです。
こんな方は要チェックです
- 相続が発生した
- 親から子へ多額のお金を渡した
- 不動産を売却した
- 家族間で大きなお金の移動があった
- 副業などの収入について申告していない
- 相続税や贈与税について申告が必要か分からない
この記事では、一般家庭が税務調査の対象になるのはどのような場合なのか、税務署は何を確認するのか、そして税務署から連絡があった場合にどう対応すればよいのかを、【超提案型】税理士イチノセが分かりやすく解説します。
この記事の目次
一般家庭でも税務調査を受けることはある?
結論:一般家庭でも税務調査を受ける可能性はあります。
税務調査は、会社や個人事業主だけを対象としているわけではありません。
所得税、相続税、贈与税などについて確認する必要があると判断された場合には、会社員や年金生活者などであっても税務署から連絡を受けることがあります。
特に一般家庭で関係しやすいのが、相続税と贈与税です。
例えば、こんなケースがあります。
- 父が亡くなったが、相続税はかからないと思って申告しなかった
- 親から住宅購入資金を出してもらった
- 親の預金を子供の口座へ移した
こうしたケースでは、税務上の確認が必要になることがあります。
一般家庭が税務署から確認を受けやすい3つのケース
1.相続が発生した場合
一般家庭における税務調査で、特に注意したいのが相続です。
相続税の申告を行った場合、その申告内容について税務署から確認を受ける可能性があります。
注意:
「相続税はかからないと思って申告しなかった」という場合でも、税務署が把握している財産状況などから申告が必要だった可能性があると判断されれば、問い合わせを受けることがあります。
相続財産には、次のようなものがあります。
- 預貯金
- 土地・建物
- 株式・投資信託
- 生命保険
- 貸付金
- その他の財産
2.親から子へ多額のお金を渡した場合
親子間のお金の移動にも注意が必要です。
例えば、次のようなケースがあります。
- 住宅購入の頭金を親が負担した
- 車の購入代金を親が支払った
- 子供の銀行口座へまとまった金額を振り込んだ
- 子供の代わりに借入金を返済した
親子だから自由にお金を渡してよいというわけではありません。
その内容によっては、贈与税の対象になる可能性があります。
ポイント
「親からお金をもらった=必ず贈与税がかかる」というわけではありません。一定の要件を満たすことで、非課税制度などを利用できる場合もあります。
大切なのは、お金を動かす前に税務上の取扱いを確認しておくことです。
3.家族名義の預金が多い場合
相続税の税務調査で問題になりやすいものの一つが、いわゆる「名義預金」です。
例えば、父親が自分のお金を子供名義の銀行口座に毎年入金していたとします。
通帳の名義は子供であっても、税務署は次のような点を確認することがあります。
- 実際にお金を出したのは誰か
- 通帳や印鑑を管理していたのは誰か
- 子供自身が預金の存在を知っていたか
- 子供が自由に使える状態だったか
こうした実態によっては、父親の財産と判断される可能性があります。
「家族名義にしておけば相続財産にならない」とは限りません。
相続税では、単純に「誰の名義になっているか」だけではなく、実際に誰の財産なのかを考えることが重要です。
税務署は銀行口座をどこまで調べる?
「税務署に銀行口座まで分かるの?」
と不安に思われる方もいらっしゃいます。
税務調査では、必要に応じて金融機関などに対する確認が行われることがあります。
次のような自己判断には注意してください。
- 「申告書に書かなければ分からないだろう」
- 「家族名義の口座なら大丈夫だろう」
特に相続税の調査では、亡くなった方本人の預金だけではなく、配偶者や子供など親族名義の預金についても、資金の流れを確認される場合があります。
例えば、相続開始前に多額の出金がある場合には、
「このお金は何に使ったのですか?」
と確認されることもあります。
相続が発生した場合には、死亡日時点の預金残高だけではなく、過去のお金の動きについても確認しておくことが重要です。
不動産を売却した場合も注意
一般家庭でも、土地や建物を売却すると所得税の確定申告が必要になる場合があります。
- 相続した土地を売却した
- 投資用マンションを売却した
- 昔購入した土地を売却した
不動産の税金は、「いくらで売ったか」だけで決まるわけではありません。
例えば、
- いくらで取得したか
- 購入時にどのような費用がかかったか
- 売却時にどのような費用がかかったか
などによって税額が大きく変わります。
昔購入した不動産の場合、購入時の売買契約書などが見つからないケースもあります。
不動産を売却した場合は、自己判断で申告不要と考えず、税理士などの専門家へ確認することをお勧めします。
副業などの収入を申告していない場合
会社員であっても、本業以外の収入がある場合には、税金の問題が発生する可能性があります。
例えば、
- インターネット販売
- フリマアプリなどを利用した継続的な販売
- 不動産収入
- 原稿料や講演料
- 業務委託による副業収入
などです。
ただし、お金が入ったからといって、すべてがそのまま課税対象になるわけではありません。
所得の種類や金額、必要経費などによって取扱いが異なります。
「少額だから大丈夫だろう」と自己判断せず、申告が必要かどうかを確認することが重要です。
税務署から突然連絡が来たらどうすればいい?
税務署から電話や書面が届くと、不安になる方が多いと思います。
まず重要なのは、「何についての連絡なのか」を正確に確認することです。
最初に確認する5つのポイント
- どの税金についての連絡なのか
- 何年分について確認したいのか
- 税務調査なのか、問い合わせなのか
- どのような資料を求められているのか
- いつまでに回答する必要があるのか
分からない内容について、その場で無理に回答する必要はありません。
「資料を確認してから回答します」
と伝え、事実関係を整理してから対応することも大切です。
税務調査でやってはいけない3つのこと
1.記憶だけで回答する
数年前のお金の動きについて聞かれても、正確に覚えていないことは珍しくありません。
曖昧な記憶で回答するより、通帳や契約書などを確認してから回答する方がよいでしょう。
2.事実と異なる説明をする
税金が増えるのが怖いからといって、事実と異なる説明をすることはお勧めできません。
後から資料との矛盾が判明すると、かえって問題が大きくなる可能性があります。
3.資料を捨てたり書き換えたりする
税務署から連絡が来た後に資料を処分したり、内容を書き換えたりすることは避けるべきです。
まず現状の資料を保存し、必要であれば税理士に相談してください。
税務署から連絡が来てから税理士に相談しても大丈夫?
はい。税務調査の連絡を受けてから税理士へ相談することも可能です。
特に、次のような場合には早い段階で専門家へ相談することをお勧めします。
- 相続税について指摘を受けそう
- 多額の贈与について質問されている
- 家族名義の預金について確認されている
- 申告していなかった所得がある
- 税務署から届いた書類の意味が分からない
- 自分だけで税務署と話すのが不安
税務調査では、税務署から指摘された内容をそのまま受け入れるのではなく、事実関係と税法上の取扱いを整理し、本当に追加の税金を支払う必要があるのかを確認することが重要です。
税務調査では「事前の準備」が重要です
税務調査は、当日の受け答えだけで決まるものではありません。
事前に次のような資料を確認しておきましょう。
- 過去の申告書
- 預金通帳
- 贈与に関する資料
- 不動産関係の契約書
- 相続関係資料
- 保険関係資料
- 証券会社の資料
そして、「税務署から何を質問される可能性があるのか」をあらかじめ考えておくことが重要です。
特に相続税では、亡くなった方だけでなく、ご家族のお金の流れまで確認することで、税務調査への準備がしやすくなります。
【超提案型】税理士イチノセの税務調査対応
一ノ瀬公認会計士・税理士事務所では、税務調査についてのご相談にも対応しています。
私たちが大切にしているのは、税務署から指摘された内容を、そのまま受け入れることではありません。
税務調査では、まず次の3点を確認します。
- 事実はどうだったのか
- それを説明できる資料は残っているのか
- 税法上、本当に課税されるのか
そのうえで、税務署へどのように説明すべきかを整理し、必要に応じて税務調査への対応を行います。
税務調査は、税務署から連絡が来てからの初期対応も重要です。
「まだ税務調査になるか分からない」
「税務署から手紙が届いただけ」
という段階でも、内容が分からない場合はご相談ください。
まとめ|一般家庭でも税務調査の対象になることがあります
税務調査は、会社経営者や個人事業主だけのものではありません。
一般家庭でも、次のようなことをきっかけとして税務署から確認を受ける可能性があります。
- 相続
- 贈与
- 家族間のお金の移動
- 名義預金
- 不動産の売却
- 副業などの所得
大切なのは、「一般家庭だから税務署には調べられないだろう」と自己判断しないことです。
税務署から連絡が来た場合には、慌てて回答するのではなく、まず事実関係と資料を整理しましょう。
税務署から連絡が来ている方へ
税務署から「お尋ね」「問い合わせ」「税務調査の事前通知」などが届き、対応方法が分からない場合は、一ノ瀬公認会計士・税理士事務所へご相談ください。
税務署へ回答する前の段階からご相談いただくことをお勧めします。
一ノ瀬公認会計士・税理士事務所
税理士・公認会計士 一ノ瀬 聡











