無料診断

お問い合わせ

072-246-9291

受付時間:月〜金 08:30〜17:30

医療機関に特化し、単なる税務処理ではなく、経営を前進させる “超提案型” の支援

【2026年最新】有料老人ホーム登録制は2027年12月開始予定!税理士が解説

有料老人ホーム登録制度

【2026年最新】有料老人ホーム登録制は2027年12月開始予定!税理士が解説

有料老人ホームを経営されている皆様、2027年に予定されている大きな制度改正をご存じでしょうか。

2026年6月に成立した「社会福祉法等の一部を改正する法律」により、中重度の要介護者などを入居対象とする有料老人ホームに、新たな登録制度が導入されます。

厚生労働省は2026年10月9日の検討会で、登録制度の施行に向けた対応を整理しました。2027年12月の施行が予定されています。

今回の改正は、単なる行政手続きの変更ではありません。入居契約、人員配置、介護サービスの選択、会計管理など、施設経営全体に影響する可能性があります。

【結論】介護事業者が今から確認すべきこと

  • 自施設が新しい登録制度の対象となるか
  • 入居契約や重要事項説明書に問題がないか
  • 夜間・緊急時の職員対応体制は十分か
  • 系列の訪問介護・訪問看護事業所への誘導がないか
  • 有料老人ホーム事業と介護サービス事業の会計を区分できているか
  • 制度対応による人件費や設備投資の増加に耐えられるか

なお、施行日や具体的な登録基準の一部は、今後の政省令等で正式に定められます。

1.なぜ有料老人ホームの制度が変わるのか?

今回の改正の背景には、有料老人ホームの利用者保護と、介護サービスの適正な利用を確保する必要性があります。

特に住宅型有料老人ホームでは、住まいの提供と介護サービスの提供が別々の契約になることが一般的です。

その一方で、施設と同じ法人や関連法人が訪問介護、訪問看護、居宅介護支援などを運営しているケースもあります。

こうした事業形態そのものが問題なのではありません。

問題となるのは、入居者が自由にサービスを選べなかったり、本人の必要性を超えた介護サービスの利用につながったりすることです。

新制度では、入居者の選択の自由を守り、施設運営の透明性を高める方向で規制が整備されます。

2.2027年12月から何が変わる?

これまでの有料老人ホーム制度では、原則として都道府県等への事前届出と、標準指導指針等に基づく指導監督が中心でした。

新制度では、一定の有料老人ホームについて登録制が導入されます。

比較項目 従来の制度 新制度の方向性
行政手続き 原則として事前届出 対象ホームは登録制へ移行
人員配置 標準指導指針等に基づく指導 法令・条例による登録基準を整備
設備 指導指針等による確認 設備基準と既存施設への特例を整備
入居契約 契約・説明に関する既存の規制 不当な契約条件の禁止等を強化
介護サービスの選択 利用者の選択が原則 特定事業者への誘導防止を強化
会計管理 既存の会計管理・指導 ホーム事業と介護関連事業の会計区分を明確化

なお、登録制の対象とならない届出ホームについても、利用者保護に関する遵守事項の見直しが予定されています。

3.どの有料老人ホームが対象になるのか?

新制度では、中重度の要介護者など、特に入居者保護の必要性が高い方を入居対象とするホームが登録対象となります。

対象の判断では、実際に入居している方の介護度だけでなく、施設がどのような方を入居対象としているかが重要になります。

施設の種類 確認すべきポイント
住宅型有料老人ホーム 中重度者の受入方針、介護事業所との関係、登録基準
介護付き有料老人ホーム 登録対象の該当性と既存指定を踏まえた手続き
サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホームへの該当性と既存登録との関係
軽度者を中心とするホーム 入居対象者の設定と登録対象外となる条件

自施設が対象になるかは、今後の政省令、自治体条例、行政の案内に基づく個別確認が必要です。

4.入居契約と介護サービスの「囲い込み」対策

今回の改正で特に重要なのが、介護サービスの選択の自由を確保することです。

厚生労働省の検討資料では、例えば次のような契約条件を不当なものとして扱う方向が示されています。

  • 系列の訪問介護事業所を利用することを入居条件にする
  • 特定の医療機関や訪問看護事業所の利用を強制する
  • かかりつけ医や担当ケアマネジャーの変更を強要する
  • 系列サービスを利用した場合だけ家賃を割り引く
  • 入院などを理由に本人の合意なく居室変更や契約解除を行う

ただし、地域に利用可能な事業者が少ないなど、個別事情への配慮も示されています。

関連法人の介護サービスを利用すること自体が一律に禁止されるわけではありません。

大切なのは、入居者が適切な情報を得て、自分の意思でサービスを選べることです。

5.人員配置・設備基準も見直しへ

登録制の導入に伴い、人員配置や設備に関する基準も整備されます。

人員配置の主な検討内容

  • 管理者・生活相談員の配置
  • 提供する介護等の内容に応じた職員体制
  • 夜間・緊急時に対応できる体制
  • 食事提供に応じた栄養管理体制
  • 機能訓練の内容に応じた職員の確保

2026年10月9日の検討資料では、夜間・緊急時について、職員配置または一定のオンコール体制による対応が示されています。

したがって、すべての住宅型有料老人ホームに24時間の職員常駐が一律に義務付けられると断定することはできません。

設備基準の主な検討内容

居室については、原則個室で入居者1人当たり13平方メートル以上とする案が示されています。

建築基準法・消防法への適合や、車いす利用者の移動、浴室・トイレ等の安全性も重要です。

既存建物で基準を満たせない場合については、代替措置や説明等を条件とする特例も検討されています。

現段階で、基準に合わない既存施設がすべて直ちに改修を迫られると考える必要はありません。

まずは図面、消防関係書類、現場の設備状況を整理し、正式な基準を待って必要な対応を判断しましょう。

6.介護事業者にとって重要な「会計区分」

税理士・公認会計士の立場から、特に注目したいのが会計管理の見直しです。

厚生労働省の検討資料では、有料老人ホーム事業の会計と、介護サービス等の関連事業の会計を明確に区分する方向が示されています。

例えば、同じ法人が次の事業を運営しているケースを考えてみましょう。

  • 住宅型有料老人ホーム
  • 訪問介護事業所
  • 訪問看護事業所

この場合、法人全体の損益だけでなく、各事業の売上・費用・利益を把握できる管理体制が重要になります。

会計管理項目 具体的な対応例
売上 家賃、管理費、食費、介護報酬等を事業別に集計
人件費 所属部署、勤務実績、兼務状況に応じて区分
共通経費 合理的な配賦基準を設定し記録
関連法人取引 業務委託料、賃料等の契約内容と金額を確認
経営管理 施設別・事業別の損益を毎月確認

具体的な区分経理の方法は、今後の正式な基準を確認する必要があります。

ただし、事業別損益の把握は制度対応にとどまらず、赤字事業の発見や収益改善にも役立ちます。

7.具体例:30室の住宅型有料老人ホームの場合

ここでは、30室の住宅型有料老人ホームを運営する法人を想定します。

以下は制度の影響を考えるための仮定であり、実際の施設の収支や法令上の必要配置人数を示すものではありません。

経営項目 仮定する数値
居室数 30室
入居率 90%(平均27室稼働)
月額施設収入 1室当たり15万円
年間施設収入 4,860万円
追加人件費 年間300万円と仮定

仮に新制度への対応で年間300万円の追加人件費が発生した場合、その分だけ利益が圧迫されます。

一方、入居率が90%から95%に改善した場合、同じ月額収入を前提とすれば、年間施設収入は約270万円増加します。

もちろん、入居率改善に伴う変動費や人員配置への影響も考慮する必要があります。

重要なのは、制度対応費用を単なる負担として捉えるのではなく、稼働率・費用・サービス品質を合わせて見直すことです。

8.登録制への移行スケジュール

厚生労働省が示した予定を踏まえると、現時点では次のような準備が考えられます。

時期 予定・確認事項
2026年10月 検討会で登録制への対応を整理
2026年内 政省令の公布を予定
2027年度 自治体条例・通知・登録事務の準備
2027年12月 登録制の施行予定
2028年12月頃 既存ホームの移行経過措置終了を予定

上記は2026年10月12日時点の予定です。正式な施行日、経過措置、申請方法は、今後の政令や自治体の公表資料で確認してください。

9.今から準備すべき7つのチェック項目

  • ① 対象施設の確認:入居対象者、施設類型、介護度の受入方針を整理する。
  • ② 契約書の点検:入居契約、重要事項説明書、紹介契約を確認する。
  • ③ 人員体制の確認:夜間・緊急時の対応、兼務、職員配置を一覧化する。
  • ④ 設備の確認:居室面積、消防設備、建築関係書類を確認する。
  • ⑤ サービス選択の確認:関連法人への誘導やケアマネジメントの独立性を点検する。
  • ⑥ 会計区分の整備:施設事業と介護サービス事業の損益を区分する。
  • ⑦ 資金繰りの試算:追加人件費、設備投資、運転資金を見積もる。

10.税理士が提案する「次の一手」

今回の制度改正を、施設経営を見直す機会にしてはいかがでしょうか。

① 施設別・事業別の利益を毎月把握する

住宅型有料老人ホーム、訪問介護、訪問看護などの損益を区分することで、どの事業が利益を生み、どの事業に改善余地があるかが分かります。

② 人員配置と稼働率を一緒に見直す

単純な人件費削減ではなく、安全性を確保しながらシフトや業務分担を最適化することが重要です。

職員の業務記録や請求事務のデジタル化など、業務効率化も検討できます。

③ 設備投資前に補助金・融資を確認する

ナースコール、見守り機器、介護記録システム等の導入を検討する場合は、利用できる補助金や金融機関の融資条件を事前に確認しましょう。

補助金は制度ごとに対象経費や申請期限が異なり、今回の登録制への対応費用が必ず補助対象となるわけではありません。

④ 12か月先までの資金繰りを見える化する

人件費増加、設備投資、借入金返済を織り込んだ資金繰り表を作成し、資金不足が生じないかを確認します。

特に複数施設を運営する法人では、法人全体だけでなく施設単位の収支管理も有効です。

11.まとめ|登録制度への対応は今から準備を

有料老人ホームの登録制は、2027年12月の施行が予定されています。

今回の改正では、登録手続きに加えて、契約内容、人員・設備、介護サービスの選択、会計区分など、幅広い対応が必要になる可能性があります。

現時点で最も重要なのは、正式な基準が決まる前に高額な改修や人員増を決めることではなく、現在の運営状況を整理し、必要な対応と経営への影響を把握することです。

当事務所は、単なる申告作業にとどまらず、節税・相続・保険の見直しから、売上アップや経費削減に至るまで、お客様の利益を最大化する「次の一手」を能動的にご提案します。

お金に関するあらゆるお悩みを、ぜひ【超提案型】のプロにご相談ください。

一ノ瀬公認会計士・税理士事務所
【超提案型】公認会計士・税理士 一ノ瀨 聡

参考資料・出典

※本記事は2026年10月12日時点の公表資料に基づいています。今後の政省令、通知、自治体条例等によって具体的な取扱いが変更される可能性があります。

この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事

目次