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【2026年(令和8年)年末調整】国税庁が最新「年調ソフト」を公開|変更点と会社が10月から準備すべきこと

2026.10.03
2026年末調整、本格スタート

【2026年分・年末調整が本格スタート】国税庁が最新「年調ソフト」を公開|会社が10月から準備すべきこと

2026年(令和8年)分の年末調整がいよいよ本格的に始まります。

国税庁は2026年10月1日、令和8年分の「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」正式版を公開しました。

「年末調整は12月になってから準備すればいい」と考えている会社もありますが、実際には10月から準備を始めることが非常に重要です。

従業員への案内、扶養状況の確認、生命保険料控除証明書等の回収、年途中入社者の源泉徴収票の確認など、早めに動いておけば11月・12月の事務負担を大きく減らせます。

さらに2026年分は、基礎控除や給与所得控除、扶養親族等に関する所得要件など、確認しておきたい変更があります。

今回は、経営者・経理担当者の方向けに、「2026年分の年末調整で何が変わるのか」「10月から何を準備すればいいのか」を分かりやすく解説します。

【この記事のポイント】

✓ 国税庁が2026年10月1日に令和8年分「年調ソフト」正式版を公開

✓ 2026年分は基礎控除などの変更点を要確認

✓ 年末調整は「12月」ではなく「10月」から準備する

✓ 扶養家族の収入見込みや年途中入社者を早めに確認する

✓ マイナポータル連携・電子化も業務効率化の選択肢

1.国税庁が2026年10月1日に「令和8年分 年調ソフト」を公開

国税庁は2026年10月1日、令和8年分の年末調整に対応した「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」正式版を公開しました。

年調ソフトは、従業員が年末調整に必要となる控除申告書等を作成するためのソフトウェアです。

各種申告書の作成を支援するだけでなく、一定の控除額を自動計算できるため、手書きによる計算ミスや転記ミスの防止にもつながります。

年末調整を電子化している会社や、これから電子化を検討している会社は、使用している給与計算システムとの連携状況も含めて早めに確認しておきましょう。

2.2026年分は「去年と同じ」で処理しない

2026年分の年末調整では、前年までの情報をそのまま使用するのではなく、令和8年分の制度を確認したうえで処理することが重要です。

特に確認しておきたい主な項目を、経営者・給与担当者向けに整理すると次のようになります。

確認項目 会社側のポイント
基礎控除 本人の所得金額等に応じた控除額を確認
給与所得控除 令和8年分のルールで給与所得を計算
扶養親族等 配偶者・お子様などの所得見込みを改めて確認
生命保険料控除 令和8年分の取扱いや控除証明書を確認

特に注意したいのが扶養家族の収入・所得の確認です。

従業員本人が「昨年も扶養だったから今年も大丈夫」と思っていても、お子様のアルバイト収入や配偶者の勤務状況などが変わっていることがあります。

会社側からも、

「2026年分は制度変更もありますので、配偶者やお子様などの収入見込みを改めて確認してください」

と案内しておくとよいでしょう。

3.年末調整で会社が従業員から確認するもの

年末調整では、従業員の状況に応じて申告書や各種証明書等を確認します。

書類・情報 主な確認内容
扶養控除等(異動)申告書 扶養親族などの状況
基礎控除申告書等 本人・配偶者等の所得見込みや各種控除
保険料控除申告書 生命保険料・地震保険料・社会保険料など
各種控除証明書 生命保険・地震保険などの支払内容
住宅ローン控除関係書類 年末調整で住宅ローン控除を受ける従業員
前職の源泉徴収票 2026年中に転職・入社した従業員など

必要な書類は従業員ごとに異なります。

そのため、全従業員へ同じ書類を配って終わるのではなく、「今年入社した人」「扶養家族がいる人」「住宅ローン控除がある人」などに分けて確認すると効率的です。

4.特に忘れやすい「前職の源泉徴収票」

年末調整で意外と時間がかかるのが、年の途中で入社した従業員の前職の源泉徴収票です。

12月になってから「前の会社の源泉徴収票を持ってきてください」と伝えても、すぐに準備できない場合があります。

そのため、2026年中に入社した従業員については、10月の段階で前職の有無や源泉徴収票の提出状況を確認しておくことをおすすめします。

5.マイナポータル連携で年末調整を効率化

年末調整の事務負担を減らす方法の一つが、マイナポータル連携などを活用した電子化です。

対応する控除証明書等のデータを取得して年末調整ソフト等に取り込むことで、手入力を減らし、控除額等の計算を効率化できる場合があります。

従来の紙中心の年末調整では、

  • 証明書を紛失する
  • 金額を間違えて転記する
  • 控除区分を間違える
  • 経理担当者が一枚ずつ確認する
  • 書類の保管・管理に手間がかかる

といった問題が発生しやすくなります。

従業員数が増えている会社ほど、年末調整をきっかけに電子化を検討する価値があります。

6.ただし「とにかく電子化」には注意

電子化すれば必ず業務が楽になるとは限りません。

例えば、従業員によってITリテラシーに差がある場合、電子化したことで問い合わせが増えてしまうこともあります。

また、紙提出と電子提出が混在すると、管理方法によってはかえって煩雑になる可能性もあります。

重要なのは、「電子化すること」ではなく「会社全体の作業時間を減らすこと」です。

給与計算システムとの連携状況や従業員数などを考慮して、自社に合った方法を選択しましょう。

7.おすすめの年末調整スケジュール

年末調整をスムーズに進めるには、12月から動くのではなく、10月から逆算して準備することが重要です。

時期 会社が行うこと
10月上旬 令和8年分の変更点・給与システムを確認
10月中旬 従業員へ年末調整の案内
10月下旬~11月前半 申告内容・控除証明書等を回収
11月中 未提出者への連絡・記載内容や不足書類の確認
12月 年末調整計算・所得税の過不足額を精算
2027年1月 源泉徴収票・給与支払報告書・法定調書等の対応

実際のスケジュールは会社の給与支給日や給与計算方法、税理士等への提出期限によって異なります。

おすすめは、法定期限ではなく「会社独自の社内締切」を早めに設定することです。

8.経営者向け|10月にやることチェックリスト

【2026年分 年末調整チェックリスト】

□ 令和8年分の制度変更を確認する

□ 給与計算・年末調整システムを最新版にする

□ 従業員への案内日を決める

□ 社内の書類提出期限を決める

□ 2026年中に入社した従業員を確認する

□ 前職の源泉徴収票が必要な人を確認する

□ 配偶者・お子様などの収入見込みを確認してもらう

□ 生命保険・地震保険等の控除証明書について案内する

□ 住宅ローン控除対象者を確認する

□ マイナポータル連携・電子化を利用するか検討する

9.年末調整を「毎年の恒例作業」で終わらせない

ここは経営者の方にぜひ考えていただきたいポイントです。

年末調整は、単なる税務手続ではありません。

従業員が増えてきた会社では、年末調整を行うことで給与・人事関連業務の「ムダ」が見えてくることがあります。

例えば、

  • 毎年同じ従業員へ何度も書類提出を催促している
  • 給与データと従業員情報を別々に管理している
  • 紙資料を経理担当者が手入力している
  • 年末調整だけで11月・12月の残業が増えている
  • 担当者しか処理方法が分からない

といった状態になっていないでしょうか。

該当する場合は、年末調整そのものよりも、給与・人事業務全体の仕組みを見直した方が効果が大きい可能性があります。

10.【超提案型】税理士からの提案|今年は「年末調整の仕組み化」を

年末調整を「税金を計算するだけの作業」にしてしまうのは、少しもったいないと考えています。

特に従業員が増えている会社では、年末調整はバックオフィス業務を改善する絶好のタイミングです。

例えば、

  • 年末調整の電子化
  • 給与計算システムとの連携
  • 従業員情報の一元管理
  • 提出期限・催促ルールの標準化
  • 毎年使える社内チェックリストの作成

などを一度整備すれば、翌年以降の負担を減らすことができます。

「毎年11月・12月になると年末調整で忙しくなる」会社ほど、今年を業務改善のスタートにしてみてはいかがでしょうか。

まとめ|2026年分の年末調整は10月から準備を

2026年分の年末調整が本格的に始まります。

国税庁から令和8年分の年調ソフトも公開され、会社側としても具体的な準備を始める時期になりました。

今年のポイントは、「去年と同じだから大丈夫」と考えないことです。

制度変更を確認するとともに、従業員の扶養状況、保険料控除、住宅ローン控除、年途中入社者の前職源泉徴収票などを早めに確認しておきましょう。

そして、

「10月に案内 → 11月前半までに回収 → 11月中に不備を解消 → 12月に年末調整」

という流れを作っておくと、年末の負担を大きく減らすことができます。

年末調整をきっかけに、給与計算や人事関連業務の電子化・標準化まで進めておくこともおすすめします。


参考資料

本記事は、国税庁が公表している令和8年分の年末調整関係資料、年末調整手続の電子化に関する情報、マイナポータル連携に関する情報等を参考に、当事務所が経営者・給与担当者向けに独自に整理・解説したものです。

最新情報・詳細な適用要件については、国税庁の「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」等もご確認ください。

※本記事は2026年10月3日時点で公表されている情報をもとに作成しています。実際の年末調整や各種控除の適用については、個々の状況によって取扱いが異なる場合があります。


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